さまざまな「規範」の理解の仕方
from 東大1S 法と社会 さまざまな「規範」の理解の仕方
- 規範主義的な規則理解 by ケルゼン(方法二元論) Rn 38-
- ルーマンは、違う考え方(システム理論)
- まず、前提として法システム以外のシステムは、コンヴェンション(法命題とは違う)で動く
- 認知的予期(経験や失敗から学習した上で推測する)
- 例えば、経済システムにおいて行った取引が期待はずれだったら、その後似た取引に同様の期待をせず、似た取引を避ける様になる、みたいな?
- そうやってコンヴェンションが生まれる
- まあこれは当たり前な人間の行動
- 認知的予期(経験や失敗から学習した上で推測する)
- しかし、法システムだけはunique
予期を抗事実的に頑固の保持しようとする企て
- 規範的予期
- 例: Rn 42-43
- そして、これをする時、法の形態は条件プログラムじゃないといけない、と
- 目的プログラムだと、時間的開放性を組み込んでしまう、と
目的プログラムは、未来の、法的決定の時点でまだ確定していない事実も考慮に入れる
- そうね、目的を達成するための手段(条件)は、実践するその時々の考え方で頑張ってくれ、というのが目的プログラムの考え方
- 「未来の状態」という、システム外部の不確定な要素が絡んできてしまう(開放的になる)
- これが具体的にどんな問題を起こすかというと
- 例えば「安全な製品」を作るべきという目的プログラムがあったとする
- 1970年の技術水準で合法(安全)とされて販売していた製品が、後から裁判所に2020年の技術水準で違法(安全でない)とされてしまったら、困るじゃん、と
- 「時間的開放性」が生む不確実性の分かりやすい例だな
- これが具体的にどんな問題を起こすかというと
- こういう開放性は条件プログラムには無いので、規範的開放性は無い、としている
- 目的プログラムだと、時間的開放性を組み込んでしまう、と
- なので、ルーマン曰く、規範は、認知的開放性はあるけど規範的開放性はない
- ヴェスティングは、ルーマンのシステム理論を元にさらに発展させている
- まとめると、
- まず、前提として法システム以外のシステムは、コンヴェンション(法命題とは違う)で動く
認知的開放性 | 規範的開放性 | |
---|---|---|
ルーマン | o | x |
ヴェスティング | o | o |
- この解釈の違いは、ソフトローを規範に含めるかどうかの違いから生まれているという事かな |