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抽象度の高い道具

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    例: りんご皮剥き機より果物ナイフの方が抽象度が高い Xができる、より何でもできる方がモードレス

     たとえば、りんごの皮をむくという作業を考えます。皮がむかれていない元の状態のりんごから、皮がむかれた目標状態のりんごを得るまでのプロセスにおいて、専用のりんご皮むき機はその大部分をサポートするでしょう。りんご皮むき機は、りんごの皮をむくことができるという意味性において、より具象的、つまり抽象度が低い状態です。 一方、果物ナイフは、りんごの皮をむくということについてはより少ない部分しかサポートしません(図2-5-3)。そのかわり果物ナイフは、りんごの皮をむくこと以外にも用いることができます。これは果物ナイフの抽象度の高さを意味します。抽象度の高い道具は、その使い道をユーザー自身が考え、自分の使用スキルの向上によって、利便性を広げていくことができます。

    抽象度の高い道具は、それ自体が決まった使い方を強要していないという意味で、モードレスです。同様に、抽象度の低い道具はモーダルです。そしてモードレスな道具は、それを使うユーザー自身の変化によって意味性を高めるという意味で、人と道具の相互発展をポジティブな方向に促すのです。これが、モーダルなタスク指向のデザインではなく、モードレスなオブジェクト指向のデザインを行うことの意義です。 #オブジェクト指向UIデザイン──使いやすいソフトウェアの原理